~大事な話を聞いてもらうには“声の大きさ”がポイント~
子育ての中で、つい何度も繰り返してしまう言葉――
「聞いてるの?」「何度言ったらわかるの?」「ちゃんと聞いて!」
親としては大切なことを伝えたいのに、子どもは上の空。
大きな声で言っても反応が薄くて、ついイライラしてしまう…。
そんな経験、ありませんか?
今回は、**「子どもに大切な話をきちんと聞いてもらうコツ」**について、
意外な“声の使い方”から考えてみましょう。
「聞いてるの?」と繰り返してしまう理由
親は、「伝えたいことが伝わっていない」と感じると、
自然と声が大きくなったり、言葉を何度も繰り返したりしてしまいます。
でも実は、これが逆効果になることもあるんです。
✅ 声を荒げると、子どもの脳は“感情”でいっぱいに
子どもは、大きな声や強い口調で話しかけられると、
脳の中でも**“感情を司る部分”が活性化**します。これは防衛反応でもあります。
その結果、「理解する」「考える」「記憶する」などの働きがストップしてしまうのです。
つまり、大きな声で何度も言えば言うほど、子どもは“理解できない状態”になっていくということ。
じゃあ、どうすれば聞いてもらえるの?
その答えは意外にもシンプル。
**「小さな声で話すこと」**です。
小さな声が、子どもの“聞く力”を引き出す
大人同士でも、相手がひそひそと話していると「え?なに?」と聞き返したくなりますよね。
実はこれ、子どもにも当てはまるんです。
✅ 小さな声には“引きつける力”がある
「小さい声で話すと、子どもが聞き返したくなる」
これは、保育園や幼稚園の先生たちもよく使っているプロのテクニックなんです。
たとえば、大切な約束ごとや、注意してほしいことを話すときに、
先生はあえて声のトーンを落として、子どもの目を見ながらゆっくり話します。
すると子どもは自然と「なになに?」と耳を傾け、聞く準備が整うのです。
大事なのは「聞く準備」を整えること
私たち大人でも、いきなり怒鳴られたり、大きな声で注意されたりすると、
話の中身よりも“感情”の方に意識が向いてしまいますよね。
子どもも同じです。
「これから大事な話をするよ」と、心の準備をさせてあげることが大切なのです。
✅ こんな風に話してみよう
子どもに大事なことを伝えたいときは、こんなステップで声をかけてみてください。
ステップ1:まず、目線を合わせる
しゃがんで目の高さをそろえ、やさしく目を見ます。
名前を呼んであげるのも効果的です。
ステップ2:小さな声で、ゆっくり話す
「今から大事なお話があるんだけど…」と、
あえて小さな声で話し始めることで、子どもは自然と耳を傾けます。
ステップ3:子どもの反応を待つ
子どもが「うん」「なに?」と反応したら、それに応えるように続きを話しましょう。
焦らず、落ち着いたトーンで話すことがポイントです。
実際にこんな場面で使えます!
では、具体的にどんな場面でこの方法が使えるかをいくつかご紹介します。
✔ お出かけ前の約束
「今からお出かけするけど、走り回らないでね」と伝えたいとき、
玄関で目線を合わせて、小さな声で「今日は静かに歩けると嬉しいな」と話すと、
子どもは“特別なお願い”として受け止めやすくなります。
✔ 危険な場面の注意
「そこ登っちゃダメ!」と大声で止める前に、
危ない場所に行く前に「ここはね、ちょっと危ないところだから、気をつけてね」と
静かに伝えることで、子どもは事前に意識できるようになります。
✔ ケンカの仲裁
きょうだいやお友達とケンカをしたときも、
「なんでそんなことしたの!」と責めるより、
「どうしてそう思ったのか、教えてくれる?」と小さな声で問いかけると、
子どもも落ち着いて気持ちを言葉にしやすくなります。
小さな声がつくる「信頼」の時間
小さな声で話すということは、**「あなたのことを大切に思っている」**というメッセージでもあります。
大きな声で言うよりも、心が通いやすく、信頼関係が深まるきっかけにもなるのです。
子どもにとって、「ちゃんと話を聞いてくれる」「怒鳴らないで伝えてくれる」
そう感じられる親の存在は、とても安心できる存在になります。
おわりに:静かな声には、想いが届く力がある
「聞いてほしい話があるときほど、小さな声で」
これは、子育ての中でとてもシンプルだけれど、効果抜群の方法です。
毎日の生活の中で、怒らずとも伝わる声の使い方を、少し意識してみてください。
- 怒鳴らなくても伝わる
- 子どもが自分から耳を傾ける
- 信頼関係が育つ
そんな変化を、きっと感じられるはずです。
子どもとのコミュニケーションに迷ったら、ぜひ「声の大きさ」を見直してみてくださいね。
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